顔馴染み
かおなじみ
名詞
標準
文例 · 用例
おまきの葬式は丁度それと入れ違いに本堂に繰り込むと、前に来ていた見送り人はやはり芝辺の人達が多かったので、あとから来たおまきの見送り人と顔馴染みも少なくなかった。
— 猫騒動 『半七捕物帳』 青空文庫
えらいとこで会うたな」 いつか柳吉は蝶子といっしょに河童路地へ来たことがあり、その時の顔馴染みであった。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
だから、靴磨きの娘を、アパートの入口に待たして置いて、ホールで顔馴染みの坂野をたずねて来たのだった。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
一人だけ顔馴染みの女が小鈴は別府へ駈落ちしたといった。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
この南というのは、大阪の人がよく「南へ行く」と言っているその南のことであり、私もまた屡※「南へ行く」たびに他アやんの店へ寄っていたから、他アやんとは顔馴染みであった。
— ――戦災余話 『起ち上る大阪』 青空文庫
もちろん一応は取調べてみましたが、今度の一件に就いてはまったく何にも知らないらしく、甚吉も伊兵衛も座敷だけの顔馴染みで、ほかに係合いはないと澄ましていましたが、それは嘘で、どっちにも係合いのあったことは、亀屋の家も、みんな知っていました。
— 岡本綺堂 『真鬼偽鬼』 青空文庫
彼女が顔馴染みの林之助に声をかけたのも、ひっきょうは帰り途のさびしいためであった。
— 岡本綺堂 『両国の秋』 青空文庫
その目算は案外に狂って、顔馴染みのない若い職人をどこでも呼び込んでくれないので、彼はひどく失望した。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫