牢として
ろうとして
副詞
標準
firmly
文例 · 用例
しかし時間に於て持続し、多数間に於て相同じき時は、牢として抜くべからず、儼として動かす可からざるものの如く見え、習慣的惰力を生ずるに至るのもまた争う可からざる事実である。
— 幸田露伴 『貧富幸不幸』 青空文庫
山の麗しと謂ふも、壌の堆き者のみ、川の暢しと謂ふも、水の逝くに過ぎざるを、牢として抜く可からざる我が半生の痼疾は、争で壌と水との医すべき者ならん、と歯牙にも掛けず侮りたりし己こそ、先づ侮らるべき愚の者ならずや。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
もしこの惰性を構成する分子が猛烈であればあるほど、惰性その物も牢として動かすべからず抜くべからざる傾向を生ずるにきまっている。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫
『うき我を淋しがらせよ閑古鳥』といふ芭蕉の観照は、『急がるる深山の奥の習はしに寂しかれとや訪ふ人のなき』といふ新千載の歌にあひ通ふので、この歌の中にある、『習はし』とはやがて習性であり傾向であり、我々民族のあひだには既に牢として抜くべからざるものになつてゐるやうにおもへる。
— 斎藤茂吉 『『さびし』の伝統』 青空文庫
果してしからば露国が今において、その勢力をこの地方に扶植し、牢として抜くべからざる根柢を培養し、天然的国境を清国領土中の荒漠たる地方に求むるは、ひとり露国のために最大の利益たるのみならず、かくの如き境界にして確定せらるるにいたらば、境界の警備は将来何らの費用と労力とを要せざるを得べし。
— 日野強 『新疆所感』 青空文庫
ただ一翳眼に在って空花乱墜するが故に、俗累の覊絏牢として絶ちがたきが故に、栄辱得喪のわれに逼る事、念々切なるが故に、ターナーが汽車を写すまでは汽車の美を解せず、応挙が幽霊を描くまでは幽霊の美を知らずに打ち過ぎるのである。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
彼の予期が外れた時、彼はそれを仕合せと考えるよりもむしろ不思議に思う位、御常の性格が牢として崩すべからざる判明した一種の型になって、彼の頭のどこかに入っていたのである。
— 夏目漱石 『道草』 青空文庫
その間際ですらかくのごとく頑固であるなら、この頑固は本人にとって牢として抜くべからざる病気に相違ない。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
作例 · 標準
城の守りは牢として、いかなる敵の攻撃も寄せ付けなかった。
幻辭AI · gemini-2.5-pro
彼は、どんな逆境に立たされても、自分の信念を牢として守り続けた。
幻辭AI · gemini-2.5-pro
彼らの間の友情は、長年の時を経ても、牢として崩れることはなかった。
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