赤らみ
あからみ
名詞
標準
文例 · 用例
樹々の葉牙は見る/\赤らみ脹らんで行く。
— 有島武郎 『春』 青空文庫
笠は目深に被りたれど、日の光は遮らで、白き頸も赤らみたる、渠はいかに暑かりけむ。
— 泉鏡花 『紫陽花』 青空文庫
そのもの案じがおなる蒼き色、この夜は頬のあたりすこし赤らみておりおりいずこともなくみつむるまなざし、霧に包まれしある物を定かに視んと願うがごとし。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
※の外は物古りし街、風湿める香のぬくみに、寺寺の梵音うるむ夕間暮、卯月つごもり、行人の古めく傘に、薄灯照り、大路赤らみ、柑子だつ雲の濡いろ、そのひまに星や瞬く。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
忘れたり、ゆるされませと赤らみて、金置きてまた駈け出れば、うしろより米はとおらぶ。
— 北原白秋 『雀の卵』 青空文庫
その赤らみ方というものが、また、まるで男とは見えないほどにいかにもういういしく娘々していたものでしたから、右門もちょっとそれにはめんくらったようでしたが、ちょうどそのとき手すきとなった店員が腰低くやって来て、注文の品を尋ねましたので、気がついてぶっきらぼうに答えました。
— 身代わり花嫁 『右門捕物帖』 青空文庫
いや、美男ぶりのその記憶よりも、あのとき、はしなくもみせた陽吉の女にも見まほしいほおの赤らみとはにかみでした。
— 身代わり花嫁 『右門捕物帖』 青空文庫
ことに、男となっている陽吉はひとしおの赤らみ方で、それゆえいっそう艶にういういしさを増したくらいでありました。
— 身代わり花嫁 『右門捕物帖』 青空文庫