惓
けん
名詞
標準
文例 · 用例
孝孺|後に至りて此詩を録して人に視すの時、書して曰く、前輩後学を勉めしむ、惓惓の意、特り文辞のみに在らず、望むらくは相与に之を勉めんと。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
氣が惓ンずる、悶々する、何を聞いても見ても味氣ない。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
代助は、しばらく、それを読んでゐたが、やがて、惓怠さうな手から、はたりと新聞を夜具の上に落した。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
本郷の通り迄|来たが惓怠の感は依然として故の通りである。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
代助は、しばらく、それを読んでいたが、やがて、惓怠そうな手から、はたりと新聞を夜具の上に落した。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
乱れた紙は、静なるうちに、惓怠い伸をしながら、下から暖められて来る。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
されば夜なべの気も惓んじた頃、戸外に一度この声を聞く時は、狐窓から呼び止めて熱いのをと幾つか誂える。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
性来憂鬱を好み、日頃煩悶を口癖にして惓むことを知らない。
— 坂口安吾 『小さな部屋』 青空文庫