破堤
はてい
名詞
標準
文例 · 用例
やがて神明西の破堤にちかい荒地にさしかかったが、雲は暗々と垂れこめ、雨は笊から水の洩るように降りしきるので、辺りの荒涼たるかんじは膚に迫るばかりだった。
— 大鹿卓 『渡良瀬川』 青空文庫
それが今年の大洪水で、むこうの破堤の場所から毒砂を押しこんで、こんな荒地になってしまったのです」 指さす彼方には、長い破堤の外に川面が薄光りをあげていた。
— 大鹿卓 『渡良瀬川』 青空文庫
二十三年の破堤の跡を見て下野田、上野田の部落へかかる頃には頭上の凝雲がいつか雨気をふくんであたりが陰気になってきた。
— 大鹿卓 『渡良瀬川』 青空文庫
神明西の昨秋の大破堤の跡にたたずむうちに、冬の日は幕を下すように暮れ落ちてたがいの顔も見分けがたくなった。
— 大鹿卓 『渡良瀬川』 青空文庫
海老瀬村の激甚地から川添いに西谷田村に入り、神明西の破堤の跡へ出た。
— 大鹿卓 『渡良瀬川』 青空文庫
その付近はさきの洪水で崩された破堤の修築中で、工事用の大きな和船が五六艘舫ってあった。
— 大鹿卓 『渡良瀬川』 青空文庫