饅頭笠
まんじゅうがさ
名詞
標準
shallow hat with a round top (looking like a half manjū)
文例 · 用例
斜めに来る光がこの饅頭笠をかぶった車夫の影法師を乾き切った地面の白い上へうつして、それが左右へゆれながら飛んで行くのが訳もなく子供心に面白かったと見える。
— 寺田寅彦 『車』 青空文庫
雨嫌いな私は、鰍沢で、万一の用心にと、買って置いた饅頭笠を冠り、紐の結び方で苦心をしているうちに、意地の悪い雨は、ひとまず切り上げてしまって、下界を覗く空の瞳がいまいましいまでに冷たい。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
断り無しに持って来た荷物を売りはらった金で、人力車を一台|購い、長袖の法被に長股引、黒い饅頭笠といういでたちで、南地溝の側の俥夫の溜り場へのこのこ現われると、そこは朦朧俥夫の巣で、たちまち丹造の眼はひかり、彼等の気風に染まるのに何の造作も要らなかった。
— 織田作之助 『勧善懲悪』 青空文庫
今朝のこッたね、不断|一八に茶の湯のお合手にいらっしゃった、山のお前様、尼様の、清心様がね、あの方はね、平時はお前様、八十にもなっていてさ、山から下駄穿でしゃんしゃんと下りていらっしゃるのに、不思議と草鞋穿で、饅頭笠か何かで遣って見えてさ、まあ、こうだわ。
— 泉鏡花 『清心庵』 青空文庫
白の饅頭笠に墨色鮮かに秀山霊水と書いてある。
— 北原白秋 『日本ライン』 青空文庫
田植時分には、雨がしょぼしょぼと降って、こねかえした田の泥濘の中にうつむいた饅頭笠がいくつとなく並んで見える。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
何の風情もない、饅頭笠を伏せた様な芝山で、逶※した径が嶺に尽きると、太い杉の樹が矗々と、八九本立つてゐて、二間四方の荒れ果てた愛宕神社の祠。
— 石川啄木 『赤痢』 青空文庫
何の風情もない、饅頭笠を伏せた樣な芝山で、逶※した徑が嶺に盡きると、太い杉の樹が矗々と、八九本立つてゐて、二間四方の荒れ果てた愛宕神社の祠。
— 石川啄木 『赤痢』 青空文庫
作例 · 標準
旅人は、強い日差しを避けるため饅頭笠をかぶっていた。
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昔の絵を見ると、農作業をする人々が饅頭笠を身につけているのがわかる。
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この饅頭笠は、雨の日でも頭を濡らさないように工夫されている。
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