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弁巧

べんこう
名詞
1
標準
文例 · 用例
双方手だれのくせものであるから、何の事は無い恋愛弁理士同士の雄弁巧説、うるわしかりける次第なりと云った形で、斯様いうことのつづきの末が、高武蔵守師直という厭なじじいが、卜部の兼好という生ぐさ坊主に艶書の注文をしたなどという談を生ずるに至っているのである。
幸田露伴 連環記 青空文庫
こうして、人民戦線の提唱のとき、もう近代の民主的主張をひっこめて、非政治的に、非社会的にそれを提案した日本の一部のインテリゲンツィアは、その後ひきつづく人間復興という文化上の提唱でも、全く骨ぬきの、口先弁巧に陥らないわけにはゆかなかった。
――インテリゲンツィアと民主主義の課題―― 誰のために 青空文庫
おせい様一人にゆっくりお話ししてえのですよ」 おせい様は、座をはずしてくれというようにお高を見たが、おせい様と磯五と相対ずくになれば、またおせい様が磯五の弁巧にだまされるにきまっているから、お高は、わざと知らぬ顔をして動かなかった。
林不忘 巷説享保図絵 青空文庫
今日青年諸君の好んで為さるるテーブルスピーチに至つては弁巧と才気とをこれ見よがしの振舞さてもさても片腹痛し。
永井荷風 桑中喜語 青空文庫
弁巧は無用じゃ」「この新九郎が短慮の罪は、幾重にもおゆるしの程を……」「その詫言はもう遅い。
吉川英治 剣難女難 青空文庫
その咄々たる容子では、この男に、そんな弁巧は持ち合わせていそうもない。
第十分冊 新書太閤記 青空文庫
泰平の後は皆、片田舎の荒れ地へ追いやられ、ただ口先の弁巧で、ぬらりくらり身を這い上げた諂い者が、廟に立ち、政治を私しているのではないか。
吉川英治 親鸞 青空文庫