未分
みぶん
名詞
標準
文例 · 用例
それと同じような意味を父の敬蔵は老荘の思想から採って、「渾沌未分の境涯」だといつも小初に説明していた。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
ここのところをわが青海流では、死屍水かかずしてよく浮くといって、平泳ぎのこころだ」「それは、よくおとうさんがおっしゃる、あの渾沌未分の兄弟か何かなの」 小初は食後の小楊枝を使いながら父親を弥次った。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
父に聞いた九淵のはなし、友が訳した希臘の狂詩――水中に潜む渾沌未分の世界……「どうでもいいわ」……小初はすべてをぶん流したあとの涼やかさを想像した。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
渾沌未分………… 渾沌未分………… 小初がひたすら進み入ろうとするその世界は、果てしも知らぬ白濁の波の彼方の渾沌未分の世界である。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
見廻せば西欧風の知性も自我も、東洋風の渾沌未分も、みな消え失せてしまいました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
したがってその場合、自覚的なわれよりもむしろ主客未分の、したがって無意識的な、無自覚的なわれが、したがって知的な、人間的なわれよりも、実践的な、動物的なわれがかえって全体的なわれであるともいい得るであろう。
— 三木清 『親鸞』 青空文庫
我々は少しの思想も交えず、主客未分の状態に注意を転じて行くことができるのである。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫
我々は知識においてまた意志において意識の統一を求め主客の合一を求める、しかしこはなお半面の統一にすぎない、宗教はこれらの統一の背後における最深の統一を求めるのである、知意未分以前の統一を求めるのである。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫