網代笠
あじろがさ
名詞
標準
conical wicker hat
文例 · 用例
墨染の衣を着た坊さんが、網代笠を片手に杖ついて、富士に向って休息しているとすれば、問わずして富士見|西行なることを知る。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
淵の魚はさぞ待っているだろうと、昭青年は網代笠を傘の代りにして淵へ生飯を持って行きました。
— 岡本かの子 『鯉魚』 青空文庫
ただ破れ法衣を掛け網代笠をさげ※杖を立て頭陀袋を置いて、その前に坐ってぼんやりしているより外はなかった。
— 種田山頭火 『遍路の正月』 青空文庫
法衣も網代笠も投げ捨てゝ、浅草で遊んだ、遊べるだけ遊んだ。
— 種田山頭火 『旅日記』 青空文庫
午後は風が出た、顔をあげてゐられないほどの埃だつた、かういふ日には網代笠のありがたさを感じる、雨にも風にも雪にも、また陽にもなくてはならないものである。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
いつ頃からか、また小さい蜘蛛が網代笠に巣喰うてゐる、何と可愛い生き物だらう、行乞の時、ぶらさがつたりまひあがつたりする、何かおいしいものをやりたいが、さて何をやつたものだらう。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
……昨日今日は近代科学に脅やかされた、その適切な一例として、右は汽車が走る、左は電車が走る、そのまんなかを自動車が走る、法衣を着て網代笠をかかつた私が閉口するのも無理はあるまい、閉口しなければウソだ。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
笠も漏りだしたか この網代笠は旅に出てから三度目のそれである。
— 種田山頭火 『『鉢の子』から『其中庵』まで』 青空文庫
作例 · 標準
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