葬場
そうじょう
名詞
標準
文例 · 用例
火葬場からの帰途、それは薄曇りの日であつたが、白つぽい道の上を歩きながら、死んだ弟の次の弟が、訊かれたでもないのに、フト語り始めるのであつた。
— 中原中也 『亡弟』 青空文庫
その火葬場のすぐ上流は、発電所工事の砂やバラスの採集所になっていた。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
棺は、釣橋を渡ったり、新らしくできた道路を通ったり、そのまだ開通しない個所から急に、山の断崖を河原に下ったり、バラス採集所の掘り残しの狭い高いところを通ったりして、火葬場まで行かねばならなかった。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
火葬場の煙突のような大きい煙突が立っていた。
— 太宰治 『火の鳥』 青空文庫
火葬場の煙突のやうな大きい煙突が立つてゐた。
— 太宰治 『火の鳥』 青空文庫
大きなアカシヤのかげには火葬場が作られていた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
背後の村には燃えさしの家が、ぷすぷす燻り、人を焼く、あの火葬場のような悪臭が、部隊を追っかけるようにどこまでも流れ拡がってついてきた。
— 黒島伝治 『パルチザン・ウォルコフ』 青空文庫
彼女がこと切れた時よりも、火葬場での時よりも、変わった土地へ来てするこんな経験の方に「失った」という思いは強く刻まれた。
— 梶井基次郎 『城のある町にて』 青空文庫