南岸
なんがん
名詞
標準
south coast
文例 · 用例
たとえば信州へんでもある東西に走る渓流の南岸の斜面には北海道へんで見られるような闊葉樹林がこんもり茂っているのに、対岸の日表の斜面には南国らしい針葉樹交じりの粗林が見られることもある。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
今もなほ南岸の人家に往時の船宿のおもかげ少しは残れるがなきにあらず。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
陳者、予てより御通達の、潮流研究用と覚しき、赤|封蝋附きの麦酒瓶、拾得次第|届告仕る様、島民一般に申渡置候処、此程、本島南岸に、別小包の如き、樹脂封蝋附きの麦酒瓶が三個漂着致し居るを発見、届出申候。
— 夢野久作 『瓶詰地獄』 青空文庫
南岸には石楠花が簇生してゐて、今は花はすがれてゐるが、花時の美しさは思ひ遣られる。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫
かの巴里新流行とか云ふ淡緑の衣着けたる一美人を左手にかばひつゝ、ライン河の南岸に立ちて、大空に驕る巨鵬の翼の己が頭上を掠めざらむ事を維れ恐るゝ状をなすものは仏蘭西にあらずや。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
時文明十一年十一月(室町時代末期)処近江国琵琶湖東南岸人蓮如上人 浄土真宗の開祖親鸞聖人より八代目の法主にして、宗門中興の偉僧。
— 岡本かの子 『取返し物語』 青空文庫
著者も嘗て西湖に遊んで南岸の湖縁に聳え立った五層の高い大きな塔の姿に驚かされた一人である。
— 雷峯怪蹟 『蛇性の婬』 青空文庫
その西湖には南岸の雷峰塔に対して北岸に保叔塔と云うのがある。
— 雷峯怪蹟 『蛇性の婬』 青空文庫