嵌
かん
名詞
標準
文例 · 用例
例えばチベットという国の名は Tibet でありますが、「ティ」(ti)という音は日本語にないので、どの音にも旨く嵌らない。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
そして十月の七日の朝、大きな石を入れる時に、その石と一緒に、クラッシャーの中へ嵌りました。
— 葉山嘉樹 『セメント樽の中の手紙』 青空文庫
何故かなら会社で必要なのは、一分一厘違わず、スポッとその中へ発電所が嵌りさえすればいいのだったから。
— 葉山嘉樹 『坑夫の子』 青空文庫
私はヘトヘトになって板壁を蹴っている時に、房と房との天井際の板壁の間に、嵌め込まれてある電球を遮るための板硝子が落ちて来た。
— 葉山嘉樹 『牢獄の半日』 青空文庫
そういう風に世の中の歯車が嵌まり込んじゃったんだ。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
「うまいところに嵌りやがったなあ」 と、その面白い思いつきを知ってる親方は、別な役に廻そうともしないで、林田に白土とセメントの量り方を委せておくのだった。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
それはちょうど、鍛冶屋の金敷の台木の中に、いつの間にか鉄屑が嵌り込み、沈み込むのとよく似ている。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
あんただって、箍を嵌めたように瘠せているじゃありませんか」「どっちが口が悪いんだか、箍を嵌めたたあ驚いたなあ、どうも昔の大砲みたいだなあ、木でできた。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫