来余
らいあまる
名詞
標準
文例 · 用例
元々木や石で出来上ったと云う訳ではないから人の不幸に対して一滴の同情くらいは優に表し得る男であるがいかんせん性来余り口の製造に念が入っておらんので応対に窮する。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫
元来余は医者でもない、生物学者でもない。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫
この看護婦は修善寺以来余が病院を出るまで半年の間|始終余の傍に附き切りに附いていた女である。
— 夏目漱石 『思い出す事など』 青空文庫
生来余り飲ぬ口なので、顔は既ポツポと上気して、心臓の鼓動が足の裏までも響く。
— 石川啄木 『菊池君』 青空文庫
余が、その質問を発した時、彼女が何と答へたか、忘れてしまつたが、以来余は、余の枕辺で読書する母の姿に接することが無くなつたので、一層余は好奇心を助長せしめられたのであつた。
— 牧野信一 『余話(秘められた箱)』 青空文庫
爰にて是を言ふは奇しと思ふ人あらんかなれど、余は元来余が為したる評論に就きて親切なる教示を望みたるものなるに、愛山君は余が所論以外の事に向て攻撃の位地に立たれ、少しも満足なる教示と見るべきはあらず、余は自ら受けたる攻撃に就きて云々するの必要を見ざれば、其儘に看過したり。
— 北村透谷 『明治文学管見』 青空文庫
余が、その質問を発した時、彼女がなんと答へたか、忘れてしまつたが、以来余は、余の枕辺で読書する母の姿に接することが無くなつたので、一層余は好奇心を助長せしめられたのであつた。
— 秘められた箱 『余話』 青空文庫
又妾に子あらば妻に子なくとも去るに及ばずとは、元来余計な文句にして、何の為めに記したるや解す可らず。
— 福沢諭吉 『女大学評論』 青空文庫