家領
けりょう
名詞
標準
文例 · 用例
大内義弘亡滅の後は堺は細川の家領になったが、其の怜悧で、機変を能く伺うところの、冷酷|険峻の、飯綱使い魔法使いと恐れられた細川政元が、其の頼み切った家臣の安富元家を此処の南の荘の奉行にしたが、政元の威権と元家の名誉とを以てしても、何様もいざこざが有って治まらなかったのである。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
君は私とは同じ石見人であるが、私は津和野に生れたから亀井家領内の人、君は所謂天領の人である。
— 森鴎外 『二人の友』 青空文庫
六角越前守と云ふ幕府の高家が、野州の幾個村を領して居て、翁もこの六角家領内の名主であつた。
— 木下尚江 『臨終の田中正造』 青空文庫
のみならず、それが奥州方面でふつうにオシラ様と呼ばれているものと同一系統に属するものであることは、その実物や行事を一見しても明らかなことで、何もわざわざ酒井家領分の庄内限りにしか通用しないような、窮屈な説明を必要としないのである。
— 喜田貞吉 『オシラ神に関する二三の臆説』 青空文庫
もちろんそれが近衛家領の淀のであるか否かは明らかでない。
— 喜田貞吉 『俗法師考』 青空文庫
そしてこの例をもって推せば、上引近衛家領の淀・山崎等五箇所の散所も、また近衛家に属して、人夫として駆使せられたものと解せられるのである。
— 喜田貞吉 『俗法師考』 青空文庫
源次郎とやらが乞食の児であったかないか、その真実はともかくとして、こんなことが老中にでも知れたら、古河の家領はどっちみち無事じゃアすみません。
— 野伏大名 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
ゆえにあるいは長蛇の急坂を下るがごとく進撃することあるも、あるいは猛虎の嵎を負うがごとく退守することあるも、勢いその頼みとすべきはただ自家領内の一天地にあり。
— 徳富蘇峰 『将来の日本』 青空文庫