救い手
すくいて
名詞
標準
文例 · 用例
くめ子はそこで学生が呉れるドロップを含みながら、もし、この青年たちの中で自分に関りのあるものが出るようだったら、誰が自分を悩ます放蕩者の良人になり、誰が懸命の救い手になるかなどと、ありのすさびの推量ごとをしてやや興を覚える。
— 岡本かの子 『家霊』 青空文庫
――頭巾姿の顔も誰か分らぬ救い手である。
— 佐々木味津三 『老中の眼鏡』 青空文庫
その目は、救い手の黒い姿に注がれて動かなかった。
— 佐々木味津三 『老中の眼鏡』 青空文庫
「道弥よな」 呟いたとき、頭巾を払って救い手が砂礫に手をついた。
— 佐々木味津三 『老中の眼鏡』 青空文庫
それには新紙幣の下落、諸物価の暴騰などについて、半蔵が旅の道々|懸念して来たようなことはすべてその中に尽くしてあり、この際、応急のお救い手当て、人馬雇い銭の割増し、米穀買い占めの取り締まり等の嘆願の趣が個条書にして認めてある。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
青年からその申し出をきいて、老牧師は、自分と娘とにとってまことに思いもかけない恥辱からの救い手と、おどろいた。
— ――ふたたび純潔について―― 『傷だらけの足』 青空文庫
自分の救い手は矢張自分です。
— 上村松園 『今日になるまで』 青空文庫
身は縛めにかかっている、この縄目の解けない以上、救い手がそこまで来ていても、すがりつく術はない。
— 桃園の巻 『三国志』 青空文庫