抜からぬ顔
ぬからぬかお
表現名詞
標準
shrewd face
文例 · 用例
所が嬢様は抜からぬ顔をして、先あ爾んな事は好い加減にして少と学問でもなさい、今の中役所を辞して責めて博士論文でも書いて見たら如何です、と斯う仰しやつた。
— 内田魯庵 『犬物語』 青空文庫
「通人てものは旨い物ばかり知っていて不味い物が解らんようでは駄目だ」と、或時近所の、今なら七銭均一とか十銭均一とかいいそうな安西洋料理へ案内した時にいうと、「だから君の下宿のお膳を一生懸命研究しているじゃアないか、」と抜からぬ顔をして冷ましていた。
— 内田魯庵 『斎藤緑雨』 青空文庫
彼等が呆れているところへ、お椀帽子を冠って、被布を着た旅の男が一人、のこのこと歩いてくるのは、「人間ですよ」と自ら保証した通り、人間が一人、抜からぬ顔をして現われて来ました。
— 他生の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
「はい、その金公でございます」 お許しが出たと見て、抜からぬ顔で障子を引開けて、ぬっと突き出した金公を見ると、どこで工面したか、ゾロリとしたなりをして、本物の野幇間になりきっている。
— めいろの巻 『大菩薩峠』 青空文庫
しかし尋ねられた老人は、駒井にそんな思惑外れがあろうとは思われないから、抜からぬ顔で、「はいはい、今年八十六でございます」「八十六!
— 白雲の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
最初は抜からぬ顔で人の後ろに立っていたが、ジリジリと一足前へ、二足前へ、余の連中が一寸二寸と後ろへさがる間に、この男のみは知らず知らず前へ出て行くので、水が流れて岩がおのずから進むように見えます。
— 壬生と島原の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
神尾が抜からぬ顔でいうものだから、冗談とも思われないので、また呆れました。
— みちりやの巻 『大菩薩峠』 青空文庫
土間の左右へ人足がそれを積込んでいると、そのあとから抜からぬ顔で入り込んで来たのは、アツシを着た十五六歳の少年で、耳に仔細らしく矢立の筆をはさみ、左右に積み分けたこも包の中央に立って帳面を振分けて、これもしさいらしい吟味をしている。
— みちりやの巻 『大菩薩峠』 青空文庫
作例 · 標準
どんな難題にも動じない、彼の抜からぬ顔には信頼が置ける。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
交渉の場では、相手の表情を読み取れない抜からぬ顔をした人物が有利だ。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
あの政治家は、いかなる質問にも抜からぬ顔で答えるのが得意だ。
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