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十二分

じゅうにぶん
形容動詞名詞-の形容詞名詞頻度ランク #22761 · 青空 329
1
標準
more than enough
文例 · 用例
ある豪家の老人が死んだ葬式の晩に、ある男は十二分の酒を飲んで帰る途中の田んぼ道で、連れの男の首玉にかじりついて、今夜ぐらい愉快に飲んだ事は近来にないという事をなんべんもなんべんも繰り返しながらよろけ歩いていた。
寺田寅彦 田園雑感 青空文庫
勝つた者の喜び※ 彼はそれを十二分に味つて居た。
太宰治 地図 青空文庫
十月十四日土曜午前十一時上野發に乘つたが、今度は掏摸の厄介にはならなくて濟んだし、汽車の中は思ひの外に空いて居たし、それに天氣も珍らしい好晴であつたが、慾を云へば武藏野の秋を十二分に觀賞する爲には未だ少し時候が早過ぎて、稻田と桑畑との市松模樣の單調を破るやうな樹林の色彩が乏しかつた。
寺田寅彦 伊香保 青空文庫
コルン式に優る点は電送に要する時間が短い事で、例えばコルン式では縦十八センチメートル、横十三センチメートルの写真を送るに十二分を要するが、この式では縦十八センチメートル、横九センチメートルのを送るに八十秒で足るということである。
寺田寅彦 写真電送の新法 青空文庫
息子夫妻のそつの無い歓待振りはまことに十二分の親孝行に違いなかった。
岡本かの子 富士 青空文庫
みち子を考える時、形式だけは十二分に整っていて、中身は実が入らずじまいになった娘、柚木はみなし茹で栗の水っぽくぺちゃぺちゃな中身を聯想して苦笑したが、この頃みち子が自分に憎みのようなものや、反感を持ちながら、妙に粘って来る態度が心にとまった。
岡本かの子 老妓抄 青空文庫
むしろ、あらゆる伝統を深く掘り下げ、噛みこなして、十二分に腹をこしらえてから後に、自分の腹一杯の声を出して、自分の中にある本当のものを正直に表現するのが本当の「野獣」である。
寺田寅彦 二科展院展急行瞥見記 青空文庫
」 おきのは、叔父の話をきいたり、村の人々の皮肉をきいたりすると、息子を学校へやるのが良くないような気がするのだったが、源作の云うことをきくと、源作に十二分の理由があって、簡単、明瞭で、他から文句を云う余地はないように思われた。
黒島傳治 電報 青空文庫
作例 · 標準
この料理は味が十二分に美味しい!
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