既
すんで
名詞
標準
文例 · 用例
いわんや、第三回の募集の時にすら先生は既に左のごとくに云うているのである、前略、古来小区域に跼蹐して陳套を脱するあたわざりし桜花がいかに新鮮の空気に触れて絢爛の美を現したるかは連日掲載の短歌を見し人の熟知するところなるべし。
— 伊藤左千夫 『竹乃里人』 青空文庫
第一回の会見既に尋常でない。
— 伊藤左千夫 『正岡子規君』 青空文庫
既に、今日の教育と云うものが、学問的に偏し、技芸的に偏し、人格的精神的の教育が欠如して居るかと思ふ。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
既に処世上、何等確信なき社会の多くが、流行に駆られて今の世にあっては、斯くせねばならぬかの如くに誤解し、日常の要務をば次にして、やれ家庭の趣味じゃ、家庭の娯楽じゃと騒ぎ散らす様であったならば、今の家庭説は徒らに社会に驕奢を勧めたるの結果に陥るのである。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
既に書いてしまったものを今更悔いても仕方がないが、一度慚愧の念に襲われては、何事にも無頓着なる予と雖も、さすがに躊躇するのである。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
よし遂に大業を遂げたりとするも、其の業の成れる時既に父母は世に存せざるならば、父母に幸福を与えずして自己の幸福を貯えた事になる。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
七時上野停車塲に行けば長塚|既にありて吾を待つ。
— 伊藤左千夫 『滝見の旅』 青空文庫
それが内容の如何と云ふことでなく、技巧の上手下手と云ふことでもなくて、既成創作が含める生命の分量如何に就て、必ず著しい物足らなさを気づいて来るに違ひ無いと思ふのである。
— 伊藤左千夫 『『悲しき玩具』を読む』 青空文庫