薄縁
うすべり
名詞
標準
thin, bordered mat
文例 · 用例
それ故に、床框の内部に畳または薄縁を敷くことは「いき」ではない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
けふはその寢床を小菅に奪はれたので病院の事務室から薄縁を借り、それを部屋の西北の隅に敷いた。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
そして皆が厩舎を出て裏庭に廻つた時は、座敷の縁側に薄縁を布いて酒が持ち出された。
— 石川啄木 『道』 青空文庫
魯文の住んでいた家は、二人の書肆が醵金して買ってくれたもので、間口九尺二間、奥行二間半、表の室の三畳敷は畳があったけれども、裏の方は根太板のままでそれに薄縁が処まばらに敷いてあった。
— 田中貢太郎 『死体の匂い』 青空文庫
風は冷し、呼吸ぬきかたがた、買った敷島をそこで吸附けて、喫かしながら、堅い薄縁の板の上を、足袋の裏|冷々と、快い心持で辷らして、懐手で、一人で桟敷へ帰って来ると、斜違に薄暗い便所が見えます。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
』と言ふ/\燈心を点して、板敷の上へ薄縁を伸べたり、毛布を敷く……『私が頼まれましたけに、ちよく/\見廻りに参りますだ。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
砂のうえに毛氈や薄縁をしいて、にぎり飯や海苔巻の鮓を頬張っているのもあった。
— 海坊主 『半七捕物帳』 青空文庫
船の軒にかけてあるほおずき提灯や、そこらに敷いてある毛氈や薄縁のたぐいは、何者かに引っ掴まれたように虚空遙かに巻きあげられた。
— 海坊主 『半七捕物帳』 青空文庫
作例 · 標準
例句