必用
ひつよう
名詞
標準
文例 · 用例
あたかも可し、さる必用を要する渠が眼は、世に有数の異相と称せらるる重瞳である。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
因って儂は、その必用のある処を問う。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
磯山告ぐるに、彼是間の通信者に、最も必用なるを答う。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
何もこんなに横風に真中から突き出して見る必用がないのである。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
いやしくも人間に生れる以上は踏んだり、蹴たり、どやされたりして、しかも人が振りむきもせぬ時、平気でいる覚悟が必用であるのみならず、唾を吐きかけられ、糞をたれかけられた上に、大きな声で笑われるのを快よく思わなくてはならない。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
どう考へても、嫁に帰くべき必用の無いものが、無理に算段をして嫁に帰かうと為るには、必ず何ぞ事情が無ければ成らない。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
何にもそう追求する必用もないし又只友達でなみなみにつき合って居る分ならなどと千世子は思って居た。
— 宮本百合子 『千世子(二)』 青空文庫
気の利く、なるたけ奉公人根性のない、気の置けないものが必用である。
— 宮本百合子 『蛋白石』 青空文庫