崖側
がけがわ
名詞
標準
文例 · 用例
谷が狭くなって、崖側を行くと、緩いながらも雪の傾斜で辷るから、ミヤマナナカマドの枝を捉えながら上る、前にも増した雪の断裂で、草鞋に踏み蹂った雪片は、山桜の葩弁のように、白く光ってあたりに飛び散る。
— 小島烏水 『槍ヶ岳第三回登山』 青空文庫
私は嘗て徒党を組んでこの森を横断した経験があるから昼間の道には自信はあるが、がむしゃらに奥へ奥へと踏み込んで滝のある崖側に突き当ると、今度は急に馬鹿馬鹿しく明るい、だが起伏の夥しい芝草に覆われた野原に出る筈だ。
— 牧野信一 『ゼーロン』 青空文庫
崖側には、空瓶、瀬戸物、売出の幟、屋台、桶、物干竿等が恰も舞台裏のやうに積重ねられてゐた。
— 牧野信一 『真夏の朝のひとゝき』 青空文庫
中には崖側を穿つて穴居し、その入口に板葺で掛け出しをしてゐるものもあつて、「厂」と云ふ象形文字の起原を実地に見る気がした。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫
尤も崖側の竹藪は不相変黄ばんだままなのだが……おつと向うから馬が来たぞ。
— 芥川龍之介 『続野人生計事』 青空文庫
尤も崖側の竹藪は不相変黄ばんだままなのだが………おつと向うから馬が来たぞ。
— 芥川龍之介 『春の日のさした往来をぶらぶら一人歩いてゐる』 青空文庫
白馬温泉 白馬温泉は鑓ヶ岳の東の崖側から湧出している。
— 木暮理太郎 『白馬岳』 青空文庫