銀皿
ぎんざら
名詞
標準
文例 · 用例
しかし入れ歯のできあがった日に、試みに某レストランの食卓についてまず卓上の銀皿に盛られたナンキン豆をつまんでばりばりと音を立ててかみ砕いた瞬間に不思議な喜びが自分の顔じゅうに浮かび上がって来るのを押えることができなかった。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
飾窓の銀皿に盛られた真紅な苺が彼をハツとさせた。
— 原民喜 『氷花』 青空文庫
三十分に一回AR――という水夫長が銀皿にシガレットを入れて来て「休めよ」といった。
— ある新聞記者の見た敗戦 『比島投降記』 青空文庫
そして老エフィゲニウスが眼に入れても痛くないほどに鍾愛している一人娘のロゼリイスは、芝生に坐って私のために鵞ペンを削りながら、絶えず涼しい微笑みを送ってくれ、遥か橄欖と糸杉の森の彼方では、侍女のオルフィスやピエラたちが、蕃紅花の花を摘んでは銀皿に盛って、この紫のインキを搾っていてくれるのです。
— 橘外男 『ウニデス潮流の彼方』 青空文庫
別の銀皿には揚げハムがあり、辺りにはかぐわしいコーヒーの香りが漂っている。
— TREGARTHEN'S WIFE 『トリガーセンの妻』 青空文庫
ゴリオ爺さんは疑いもなく机の台に張り付いて、金メッキの銀皿とスープ鉢の様な物をひっくり返して置き、豪華な彫刻が施されたこれらの品物の周りをロープで巻いて、地金になるまでに、ものすごい力でねじ切ろうとしているようだった。
— Le Pere Goriot 『ゴリオ爺さん』 青空文庫
僕は昨晩、彼が金メッキの銀皿をまるで蝋で出来ているもののように捻じ曲げているのを見たんだ。
— Le Pere Goriot 『ゴリオ爺さん』 青空文庫