目にも止まらぬ
めにもとまらぬ
表現形容詞-語幹
標準
extremely fast
文例 · 用例
これは書物で読んだことだが、樫鳥や山鳩や山鴫のような鳥類が目にも止まらぬような急速度で錯雑した樹枝の間を縫うて飛んで行くのに、決して一枚の木の葉にも翼を触れるような事はない。
— 寺田寅彦 『烏瓜の花と蛾』 青空文庫
これらのシーンの推移のテンポは緩急自在で、実に目にも止まらぬような機微なものがある。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
平和――であるかどうか、それはわからぬが、ともかくも人間の目から見ては単調らしい虫の世界へ、思いがけもない恐ろしい暴力の悪魔が侵入して、非常な目にも止まらぬ速度で、空をおおう森をなぎ立てるのである。
— 寺田寅彦 『芝刈り』 青空文庫
これは書物で読んだことだが、樫鳥や山鳩や山鴫のような鳥類が目にも止まらぬような急速度で錯雑した樹枝の間を縫うて飛んで行くのに、決して一枚の木の葉にも翼を触れるような事はない、これは鳥の目の調節の速さと、その視覚に応じて反射的に行なわれる羽翼の筋肉の機制の敏活を物語るものである。
— 寺田寅彦 『からすうりの花と蛾』 青空文庫
――目にも止まらぬすばしっこさで、しなやかに美しい指先がぽんとお店者の胸をたたいたとみるまに、早くも懐中のぽってりと小判をのんでいるらしい一物はするり女の手先にすられて、音もなく左手のすぼめて持っている日傘の中にすべりおちました。
— なぞの八卦見 『右門捕物帖』 青空文庫
あっさり手を引かねえと、いまにけがするよ」 いいつつ腰のものの小柄に、そっと片手がかけられたと見えると、目にも止まらぬ名人の名人わざでした。
— 足のある幽霊 『右門捕物帖』 青空文庫
」 明恵は箸を取つて一口頬張つたと思ふと箸を取つた右の指先で障子の桟を目にも止まらぬ速さで一寸撫でた。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
桝本と舟木とお蝶とは揃って苦笑いを洩らすだけであったが、艶子とそれから長谷川と山本とはこの目にも止まらぬ早業に、値段の下がったセキセイインコのような目玉をした。
— 合作の六(終局) 『五階の窓』 青空文庫
作例 · 標準
何も言わず、目に物言わす表情で彼女は彼の提案を拒絶した。
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彼は無言だったが、その目に物言わす態度から強い決意が伝わってきた。
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上司は部下の失態を咎めるように、目に物言わすように睨みつけた。
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