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老猿

ろうえん
名詞
1
標準
文例 · 用例
蓬髪は昔のままだけれども哀れに赤茶けて薄くなっており、顔は黄色くむくんで、眼のふちが赤くただれて、前歯が抜け落ち、絶えず口をもぐもぐさせて、一匹の老猿が背中を丸くして部屋の片隅に坐っている感じであった。
太宰治 斜陽 青空文庫
若き頃、世にも興ある驕児たりいまごろは、人喜ばす片言|隻句だも言えずさながら、老猿愛らしさ一つも無し人の気に逆らうまじと黙し居れば老いぼれの敗北者よと指さされもの言えば黙れ、これ、恥を知れよと袖をひかれる。
太宰治 乞食学生 青空文庫
婚礼の祝宴の夜、アグリパイナは、その新郎の荒飲の果の思いつきに依り、新郎|手飼の数匹の老猿をけしかけられ、饗筵につらなれる好色の酔客たちを狂喜させた。
太宰治 古典風 青空文庫
(乃ち面長き老猿の面を被り、水干烏帽子、事触に似たる態にて――大根、牛蒡、太人参、大蕪。
泉鏡花 多神教 青空文庫
そして、筆を借りてそこの壁に詩を題し、終ると傍にいる二人の小供を抱き締めるようにしてさめざめと泣いていたが、やがて孫恪の方を向いて、「これから永のお別れをします」 と言って、着ていた着物を引裂いて投げ出したのを見ると、赭顔円目の一大老猿であった。
田中貢太郎 碧玉の環飾 青空文庫
それを見た皆が驚いているうちに、老猿は庭前の大木の上に飛びあがって、夫や小供の方を見て啼いていたが、まもなく欝蒼なる緑樹の中に姿を消した。
田中貢太郎 碧玉の環飾 青空文庫
そこに二重門があって、それを入ると錦繍の帷をした室があって、その真中に石の榻を据え、その上に大きな老猿が仰向けに寝てうんうんと唸っていた。
田中貢太郎 申陽洞記 青空文庫
その中で主人らしい武士のいた処に死んでいた猿は、灰色の老猿であった。
田中貢太郎 妖怪記 青空文庫
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『老猿』(ろうえん)は、高村光雲が1893年に制作した木彫りの彫刻である。同年のシカゴ万国博覧会出品作で、国の重要文化財に指定されている。現在は東京の東京国立博物館に展示。高村光雲の代表作の1つ。題名の通り老いた猿を彫った作品で、初めて西洋の文化の現れが見えた作品でもある。

出典: 老猿 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0