厘毛
りんもう
名詞
標準
farthing
文例 · 用例
当庵は斯様に見苦しく候えば、年末に相迫り相果て候を見られ候|方々、借財等のため自殺候様御推量なされ候事も可有之候えども、借財等は一切無き某、厘毛たりとも他人に迷惑相掛け申さず、床の間の脇、押入の中の手箱には、些少ながら金子|貯えおき候えば、荼※の費用に御当て下されたく、これまた頼入り候。
— 森鴎外 『興津弥五右衛門の遺書(初稿)』 青空文庫
厘毛の利を争うことから神を創ることに至るまで、偽らずに内部の要求に耳を傾ける人ほど、彼は裕かに恵まれるであろう。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
みすみす大家に損をしろというようなことはなり立たないという厚生省のいわれたのは、大家にとって慈父の言であろうが、厘毛をあらそう小商人さえ配給員となって、三十五円、四十円の月給とりで国策にそおうという今日、家主も国家的任務を自覚させてもらうことについて異議はなかろう。
— 宮本百合子 『私の感想』 青空文庫
この権理に至りては地頭も百姓も厘毛の軽重あることなし。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
近くはわが日本国にても、今日の有様にては西洋諸国の富強に及ばざるところあれども、一国の権義においては厘毛の軽重あることなし。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
他人と他人との付合いには情実を用ゆべからず、必ず規則約束なるものを作り、互いにこれを守りて厘毛の差を争い、双方ともにかえって円く治まるものにて、これすなわち国法の起こりし所以なり。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
むろん私は世間で投機熱がいかに流行しても、株に手を出すなどということはなかったから、好景気に際して厘毛の利益も得なかった代り、この急落によって少しも打撃を被ることもなく、したがって中村屋は安泰であった。
— ――所信と体験―― 『一商人として』 青空文庫
作例 · 標準
祖父は「商売においては厘毛のわずかな利益であっても決して疎かにしてはならない」といつも口酸っぱく言っていた。
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帳簿の計算がどうしても合わず、経理担当者は深夜まで厘毛の単位まで何度も確認を繰り返している。
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材料費の厘毛の差であっても、それが何万個と積み重なることで、最終的な利益に莫大な影響を与える。
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