様本
ようほん
名詞
標準
文例 · 用例
自分が昔現在の家を建てたとき一番日当りがよくて庭の眺めのいい室を応接間にしたら、ある口の悪い奥さんから「たいそう御客様本位ですね」と云って、底に一抹の軽い非難を含んだような讃辞を頂戴したことがあった。
— 寺田寅彦 『新年雑俎』 青空文庫
「まあ旦那様本当に恐れ入りますでございますね、お寒いのにあんなお働きいただきましては……」「駄目かい?
— 宮本百合子 『海浜一日』 青空文庫
会則、綱領がないと公言されていることは、一人の男が、私に主義というものはありませんと告白したと同様本来この上なく危っかしいことなのである。
— 宮本百合子 『近頃の話題』 青空文庫
「いいか、貴様、話しなんかしたら、みろ、貴様本当に橋の上から川の中へ突っ込んでやるからな!
— 犬田卯 『橋の上』 青空文庫
」「藤枝蔵人様というのは仔細あって世を忍ぶ仮の名、まことはあれが、成滝近江様本人でしたよ」 平次はとうとう最後の切札まで投げ出しました。
— 敵討果てて 『銭形平次捕物控』 青空文庫
ただし正三君は自分の手がらをぬきにして、照彦様本位にくわしく物語った。
— 佐々木邦 『苦心の学友』 青空文庫
「こちらのお嬢さんが行方不明になられてから、つまり四月二日ですね、あれからこっちのこのお邸に出入りした人を、出来るだけ思い出して欲しいのです」明智はすぐ様本題に入った。
— 江戸川乱歩 『一寸法師』 青空文庫