射干玉
ぬばたま
名詞名詞-の形容詞
標準
pitch-black
文例 · 用例
あたりを罩める射干玉の夜陰に、なんのことはない、まこと悪夢の一場面であった。
— 巷説蒲鉾供養 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
3 孟春四月の半ばをすぎた城下の夜半は、しんとぬばたまのやみに眠って、まこと家の棟も三寸下がらんばかりな、底気味のわるい静けさでした。
— 血染めの手形 『右門捕物帖』 青空文庫
雪解の水については、正岡子規が平家物語のなかの宇治川のくだりを詠んだ歌にぬばたまの黒毛の駒の太腹に雲解の波のさかまき來る飛ぶ鳥の先きをあらそふもののふの鐙の袖に波ほとばしる宇治川の早瀬よこぎるいけじきの馬の立髮浪こえにけりなどいふ傑作を私は常に愛誦してゐるのである。
— 今井邦子 『雪解水』 青空文庫
ぬばたまの夜の黒髪に挿すヒラヒラする銀紙の花簪、赤いもの沢山の盛装した新調の立派な衣裳……眉鼻口は人並だが、狐そっくりの釣上った細い眼付は、花嫁の顔が真白いだけに一層に悽く見える。
— 児玉花外 『菜の花物語』 青空文庫
この人の歌では、特別に名高いものとして、み吉野の象山の際の木ぬれには、こゝだも さわぐ鳥のこゑかもぬばたまの 夜のふけ行けば、楸生ふる清き川原に、千鳥頻鳴く これなどは、人も認めまた實際にねうちもあるものです。
— 折口信夫 『歌の話』 青空文庫
つぎのは、ぬばたまのは、黒いものゝ枕詞。
— 折口信夫 『歌の話』 青空文庫
み吉野の象山の際の木梢には、許多も騒ぐ鳥の声かも(赤人――万葉巻六)ぬばたまの夜の更けゆけば、楸生ふる清き河原に、千鳥|頻鳴く(同)写生の上々と評されてゐる歌である。
— 折口信夫 『叙景詩の発生』 青空文庫
ぬばたまの夜のふけゆけば、楸生ふる清き川原に、千鳥しば鳴くみよし野の象山の際の木梢には、こゝだも さわぐ鳥のこゑかも(万葉巻六)等に見えた観照と、静かな律に捲きこんだ清純な気魄の力とは、何処へ行つたのか。
— 万葉集以後の歌風の見わたし 『短歌本質成立の時代』 青空文庫
作例 · 標準
ぬばたまの夜の闇に、星が瞬いていた。
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彼女の長い髪は、ぬばたまのように美しかった。
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古典文学には「ぬばたまの」という表現がよく使われる。
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