新派劇
しんぱげき
名詞
標準
文例 · 用例
下|品の感傷とは、新派劇である。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
どうするかと見ていると、お千鶴は家で手内職、お前はもと通り俥をひいて出て、まるで新派劇の舞台が廻ったみたいだった。
— 織田作之助 『勧善懲悪』 青空文庫
こういう見方からすれば、芸術的な高級演劇がさっぱり商売にならないで芸術などは相手にしない演劇会社社長の打つ甘い新派劇などが満員をつづけるのが不思議でなくなるようである。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
)新派劇とあるのを見た。
— 泉鏡太郎 『魔法罎』 青空文庫
さういふある晩、古賀は村から五里はなれたT市へそこの劇場にかゝつた新派劇を見せに母を連れて行つた。
— 島木健作 『盲目』 青空文庫
私は柳川君の小説が大当りを取つて、新派劇でも人気を博した時、彼が定紋附の車で乗りまはし、夫人も指に幾箇かの指環を閃めかし桟敷に納つてゐたものださうで、その様子を手真似しながら滑稽や洒落まじりに描写する時の鏡花の様子を今でも思ひ出すが、それに集る軽薄な芝居ものの描写は一層神に入つてゐた。
— 徳田秋聲 『亡鏡花君を語る』 青空文庫
もっとも新派劇は帰朝後三四遍見たが、けっして好じゃない。
— 夏目漱石 『明治座の所感を虚子君に問れて』 青空文庫
これで書生芝居も一種の新しい劇として、あまねく世間からその存在を認められるようになって、わが劇界には歌舞伎と新派劇と二つの王国が出来た。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫