幻辞.com

桜雲

おううん
名詞
1
標準
文例 · 用例
御地は早や南の枝に大和心綻ろび初め候ふの由、満城|桜雲の日も近かるべくと羨やみ上げ候。
石川啄木 渋民村より 青空文庫
春夢正濃満街桜雲秋信先通両行燈影是ぞ福地桜痴居士が当時豪奢の名残りと聞えし。
木村荘八 洲崎の印象 青空文庫
以上の事柄は書物によって多少の相違はあるのだが、南山巡狩録、南方紀伝、桜雲記、十津川の記等にも皆載っているし、殊に上月記や赤松記は当時の実戦者が老後に自ら書き遺したものか、あるいはその子孫の手に成る記録であって、疑う余地はないのである。
谷崎潤一郎 吉野葛 青空文庫
やはり、甲館の濠のうちで、躑躅ヶ|崎七|殿のうちの桜雲台千|畳敷の広間の東につづいて建ってある。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
三 ガバとはね起きた石見守、大久保長安は、悪夢におびやかされたように、枕刀を引ッつかむなり、桜雲台本殿の自身の寝所から廊下へとびだした。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
」 自分がさきへバラバラと馳けだしたが、また、ひょいとうしろの者たちをふりかえって、「残ったものは殿のご寝所のほうを守れ、もう木戸や多門の固めにはじゅうぶん人数がそろったから、よも、やぶれをとるおそれはあるまい」 いいすてて桜雲台へ馳けてゆく。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
桜雲台は躑躅ヶ|崎七|殿の中核であって、源氏閣の建物はその上にそびえている。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
このうえは、どうせのついでに、大久保長安の寝所を見つけて、きゃつの首を土産に引きあげよう」 欄のまわりに影ばかり見せて、ただワアワアとさわいでいる若侍たちを睥睨しながら、源氏閣から桜雲台の本殿へもどってくると、そこへあまたの武士に追いつめられてきた乱髪の小童があった。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫