幽
ゆう
名詞
標準
文例 · 用例
幽明|遙けく隔つとも僕の心は一日も民子の上を去らぬ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
幽かに言ひし一言あはれ千万無量の思ひを籠めて、まこと闇路に迷ひぬべき事なるを、引受けし我れ其甲斐もなく、世の嗤笑に為しも終らば、第一は亡き妹に対し我が薄井の家名に対し、伯母が身は抑も何とすべき。
— 樋口一葉 『雪の日』 青空文庫
我々の想像する幽霊も常に細長い形をもっている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
お前のほつそりした頸すぢお前のながくのばした髮の毛ねえ やさしい戀びとよ私のみじめな運命をさすつておくれ私はかなしむ私は眺めるそこに苦しげなるひとつの感情病みてひろがる風景の憂鬱をああ さめざめたる部屋の隅から つかれて床をさまよふ蠅の幽靈ぶむ ぶむ ぶむ ぶむ ぶむ ぶむ。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
さうしてこの幽邃な世界のうへに夜は青じろい月の光がてらしてゐる月の光は前栽の植込からしつとりとながれこむ。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
あやしくもここの磯邊にむらがつてむらむらとうづ高くもりあがり また影のやうに這ひまはるそれは雲のやうなひとつの心像 さびしい寄生蟹の幽靈ですよ。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
なんといふ退屈な人生だらうふしぎな葬式のやうに列をつくつて 大きな建物の影へ出這入りするこの幽靈のやうにさびしい影だ硝子のぴかぴかするかなしい野外でどれも青ざめた紙のしやつぽをかぶりぞろぞろと蛇の卵のやうにつながつてくる さびしい囚人の群ではないか。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
なんといふいたましい風物だらうどこにもくびのながい花が咲いてそれがゆらゆらと動いてゐるのだ考へることもない かうして暮れ方がちかづくのだらう戀や孤獨やの一生からはりあひのない心像も消えてしまつて ほのかに幽靈のやうに見えるばかりだ。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
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『幽』(ゆう、yoo)は、株式会社KADOKAWA(角川書店ブランド)が発行する怪談文芸専門誌。GHOSTLY MAGAZINEというサブタイトルが付いている。2004年6月18日創刊、2018年12月18日、30号をもって休刊。年2回(7月・12月)発行。編集顧問は東雅夫。編集長は岸本亜紀。アートディレクションは祖父江慎。
出典: 幽 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0