追風
おいかぜ
名詞
標準
文例 · 用例
さんさんとふきあげの水はこぼれちりさふらんは追風にしてにほひなじみぬ。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫
牛が向い風を嫌い、追風を好く――こんな観察を文吉がしていることを語りました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
片手を上げて、吹き上げられた砂塵が眼に入るのをふせぎながら、追風を背に受けてトツトと走つた。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
もしも舟のりが、そのいちばんはじめのむすびめをほどくなら、つごうのいい追風がふきます。
— SNEDRONNINGEN 『雪の女王』 青空文庫
船頭が、その一つの結び目をとくと、追風が吹き、二番めの結び目をとくと、強い風が吹き、三番め、四番めと、といていくと、あらしになって、森の木々もたおれてしまうんですね。
— ――七つのお話からできている物語―― 『雪の女王』 青空文庫
ハレヤ、霞の雲仙、島原は追風の一と潮、風さきの向う突堤は三潴ばの、のうもし。
— 北原白秋 『夢殿』 青空文庫
あるいはたぶん、追風で走っていたのでそんなに強く感じなかったのかもしれません。
— A DESCENT INTO THE MAELSTROM 『メールストロムの旋渦』 青空文庫
船というものは、丈夫にできていて、きちんと手入れがしてあり、積荷が重くなければ、追風に走っているときは、疾風のときの波でもかならず船の下をすべってゆくように思われるものです、――海に慣れない人には非常に不思議に思われることですが、――これは海の言葉では波に乗ると言っていることなのです。
— A DESCENT INTO THE MAELSTROM 『メールストロムの旋渦』 青空文庫