押し通る
おしとおる
動詞-五段-ラ行
標準
to force one's way through
文例 · 用例
たゞ、当時の各藩は、水戸の天狗騒動で、武田耕雲斎が、わづか数百の兵力で、中部日本を押し通るのを、傍観してゐたのでも分るやうに、軍備的に無力であつたのと、天皇親政の中央集権的情勢が天下を風靡してゐたので、利害的にも、人情的にも、至難と思はれた廃藩置県が、見事に断行されたのである。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
自と出来た中央の道、そこを押し通る異風行列、急がず急かず悠々と、その足並みさえ揃っている。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
訓練されたる薩摩武士、武者押しとしてはまことに堂々、しかも殺気は鬱々と立ち、意気は盛ん、油断はなく、敵の城下を押し通るのに、臆した様子は少しもない。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
測量部でも御料局でも切明けを造らなかったと見えて、僅に国境を査定した時のものらしい古い木の切株があるのを頼りに、灌木喬木倒木の雑然と入り乱れた中を、会釈もなく押し通るのである。
— 木暮理太郎 『秩父の奥山』 青空文庫
「ハ、ハイ」「何処へ行かれる、――此処は箱根の裏道、女人の身で押し通ると、磔刑柱を背負わされるが承知かな」 五十日月代、腐った羽二重、朱鞘を落して、麻裏|草履を浅ましく突っかけた姿は、言う迄もなく浪人者|赤崎才市です。
— 野村胡堂 『大江戸黄金狂』 青空文庫
ひと口に、関所破りというが、偽手形を使う知能犯と、間道を抜ける潜行式と、暴力で押し通る無法型とがある。
— 野村胡堂 『胡堂百話』 青空文庫
ところが、越前守の足は――いや全身は、そのまま押し通るような態度で、吉宗の顔の前まで行ってしまった。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫
命が要らないわけじゃありますまい」「といったッて、清河県へ行くには、この峠を越さずにゃ行けねえ」「だから峠先きへ行く道づれを待って、二、三十人になったら、松明を先頭に、わいわい囃しながら押し通ることにしているんでさ。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
作例 · 標準
例句