襟布
えりふ
名詞
標準
文例 · 用例
暗緑色のスカートに縁紐で縁取りされた胸衣をつけ、それに肱まで拡がっている白いリンネルの襟布、頭にアウグスチン尼僧が被るような純白の頭布を頂いている。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
猶太人がよく、その形をカフス釦や|襟布止めに用いているけれども、そのダビデの楯()の六|稜形が、クリヴォフの胸飾では、テュードル薔薇に六弁の形となって現われているのだ」「だが、君の論旨はすこぶる曖昧だな」と検事は不承げな顔で異議を唱えた。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
なお、推定時刻は一時間前後で、ほぼクリヴォフの殺害と符合していたが、革紐は襟布の上からそのなりに印されていて、それが頸筋に、無残なほど深く喰い入っていた。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
しかしその間、検事は、頸筋の襟布を指で摘み上げて、しきりと後頭部の生え際のあたりを瞶めていた。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
ところが、その直後――ひしゃげ潰れたレヴェズの襟布をはずした時に、思いがけなく、その下から三人の眼を激しく射返したものがあった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
しかし、その一人二役の片割れは蘭の一種――衒学的に云うと、竜舌蘭なんですがね」と云って、懐中から取り出したレヴェズの襟布を引き裂くと、その合わせ布の間から、縮みきって褐色をした、網様の帯が現われた。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
それから、次は云うまでもなく、拇指痕の形を、竜舌蘭の繊維で作った襟布に利用して、レヴェズの咽喉を絞めていったのでした。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
「しかし、この襟布には、勿論誰の顔も現われてはいません。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫