照り渡る
てりわたる
動詞-五段-ラ行
標準
to shine over
文例 · 用例
九日の夜の冴えた空に煌々と照り渡る半月を浴びて慧鶴は相変らず寺の縁で坐禅をしていた。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
ランプがほの暗いので、部屋のすみずみまでは見えないが、光の照り渡る限りは、雑多に置きならべられたなまめかしい女の服地や、帽子や、造花や、鳥の羽根や、小道具などで、足の踏みたて場もないまでになっていた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
日は既に暮れ果てて、朧げながら照り渡る彌生半の春の夜の月、天地を鎖す青紗の幕は、雲か烟か、將た霞か、風雄のすさびならで、生死の境に爭へる身のげに一刻千金の夕かな。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
が、この白く高く照り渡る雲の見ゆるのは初夏の最初の徴候で、それからの空は色濃く重々しくなつて、都会の上に臨むやうになる。
— 吉江喬松 『海潮の響』 青空文庫
降らんとして降り損ねた空の奥から幽かな春の光りが、淡き雲に遮ぎられながら一面に照り渡る。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
地は再び黄金の穂波が明るく照り渡る。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
此処其処の雑木林や村々の落葉木が、最後の栄を示して黄に褐に紅に照り渡る。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
こなたも引き入れられるるようにうつぶきつ、火鉢にかざせし左手の指環のみ燦然と照り渡る。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
作例 · 標準
朝日が山々に「照り渡り」、新しい一日が始まった。
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満月が夜空に「照り渡り」、あたりは幻想的な光に包まれた。
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ステージの照明が客席全体に「照り渡り」、観客の顔を明るく映し出した。
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