呪物
じゅぶつ
名詞
標準
fetish (object believed to have supernatural powers)
文例 · 用例
特にその内容が最も具体的に鮮明且つ積極的になった処の国体明徴運動の如きは、林内閣の手によって祭政一致という超俗的な神職的神話に結びつけられ、夫によって政治感覚全体を著しく形而上学化したので、凡そ国民そのものとは縁のない呪物に祭り上げられて了った。
— 戸坂潤 『思想動員論』 青空文庫
その上部落の女たちの中には、尊を非凡な呪物師のように思っているものもないではなかった。
— 芥川龍之介 『素戔嗚尊』 青空文庫
其貢物は皆国造家の「ことほぎ」料であるが、其中、白鵠の生御調は、殊に重要な呪物であつた。
— 折口信夫 『万葉集研究』 青空文庫
やすみしゝわが大君の……わが逃げ登りし……榛の木の枝」と言ふ様な形だつたもので、呪物の由来を説くと共に、「し」に詠歎を含めてゐるらしくも見える。
— ――語尾「し」の発生―― 『形容詞の論』 青空文庫
此は、所謂「出雲国造神賀詞」の拙劣な飜訳であるが、――出雲国造新任の後、再度上京して、其度毎に神宝――呪物の神器と、御贄の品々を献り、この神賀詞を唱へて主上を呪し奉る例になつてゐた。
— 折口信夫 『日本文学の発生』 青空文庫
呪物の名と、呪物の効験とは、無関係であつたのを、更に詞章精霊の活動を信じる時代になつて、さうした二重の効果を合理的に考へる様になつたものである。
— 折口信夫 『日本文学の発生』 青空文庫
かうする手段によつて、呪物と呪力との威力を完全に発現させようと努めるので、此等の呪物は皆、霊魂を斎鎮ふ為の神器であり、其によつて鎮め籠められることに深い意義を感じてゐるのであつた。
— 折口信夫 『日本文学の発生』 青空文庫
唯其が次第に熟達して、個々の旧族固有の方法と、其に呪物が分化し、各其伝統と効験を誇るやうになり、鎮魂術は成立したのである。
— 折口信夫 『日本文学の発生』 青空文庫
作例 · 標準
未開の地の部族にとって、その奇妙な形をした呪物は一族の命運を左右する守護神だった。
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博物館のガラスケースに収められた不気味な呪物が、見る者に得体の知れない圧迫感を与える。
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古い土蔵を整理していたら、先祖代々伝わってきたという謎の呪物が出てきて驚いた。
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