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余喘

よぜん
名詞
1
標準
lingering life
文例 · 用例
」 支那人は、抑圧せられ、駆逐せられてなお、余喘を保っている資本主義的分子や、富農や意識の高まらない女たちをめがけて、贅沢品を持ちこんでくるのだ。
黒島伝治 国境 青空文庫
ついきのうまでも、まだまだとのみ先を頼むの念は強かったに、今はわが生の余喘も先の見えるような気がしてならない。
伊藤左千夫 紅黄録 青空文庫
当時は一切の旧文化が維新の革命で破壊され、京伝や馬琴の流を汲んだ戯作者の残党が幇間芸人と伍して僅かに余喘を保っていたのだから、偶々文学|勃興の機運が熟しても渠らはその運動に与かる力がなくて、勃萃無味なる政治小説や半熟未成の翻訳小説の跋扈するままに委していた。
――尾崎紅葉―― 硯友社の勃興と道程 青空文庫
遠い汽笛の音、空気の乱れ、何かしら動いてるもののどよめき、一日の生活の余喘、……それらのものが大気中に漂っている。
豊島与志雄 真夜中から黎明まで 青空文庫
現代日本にも、この美的陶磁器生産の余喘は、各地にこれを求めることは出来るけれども、殆どが個人作家の小規模な、陶磁器製作という形であるか、あるいは一地方の一握りの需要を充たすための、地方的な特色ある型の、ある種の什器製作という衰微した形式でしか残されてはいない。
北大路魯山人 日本のやきもの 青空文庫
それが次第に勃興して来た現代の登山、殊に最近に至りて急速に発達したスポーツとしての登山に圧せられて、今は僅に片隅で余喘を保っている有様である。
木暮理太郎 山の今昔 青空文庫
最終の豆餅屋に付いては明治四十三年執筆にかかる大庭柯公氏の「江戸より東京」の一節を見てそのころガード下に生活した豆餅屋は、もはや明治の、いや、さらにその前の江戸の余喘ですらあつたこと知つてほしい。
正岡容 大正東京錦絵 青空文庫
殊に彼の煤煙という生物に取りて恐る可き大敵は、纔に余喘を保っている都会の樹木に先ず其毒害を及ぼして、之を枯し尽さざれば止まざるの勢がある。
木暮理太郎 望岳都東京 青空文庫
作例 · 標準
病状は深刻で、もはや余喘を保つのが精一杯の状態だった。
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長年闘病してきた老人は、最期の余喘を振り絞るように、家族に別れを告げた。
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自然保護活動家たちは、絶滅寸前の種が、その余喘を長らえるための保護策を訴えている。
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