瓜売り
うりうり
名詞
標準
文例 · 用例
そンでまア巧いこと乳にありついて、餓え死を免れたわけやが、そこのおばはんいうのが、こらまた随分りん気深い女子で、亭主が西瓜時分になると、大阪イ西瓜売りに行ったまンま何日も戻ってけえへんいうて、大騒動や。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
そして深い雨霧が街路灯に薄黄色い円を描く夜明けの街や、野菜や真桑瓜売りの荷車が雑沓する市場や、静かに濡れそぼつ大同江の船着場などをとぼとぼ徨い歩いた。
— 金史良 『土城廊』 青空文庫
颯っと短いマントに短剣を吊って、素早く胡瓜売りの手車の出ている角を曲ったのは、舞踊で世界的名声のあるカザークの若者だ。
— 宮本百合子 『五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍』 青空文庫
その外濠から遠からぬ同心町の辻に、折助や御用聞きなどが油をうるに都合のいい西瓜売りの縁台が二、三脚すえてあって、「おい仁三、仁三兄い――」 と声を立てた連中も、両手で輪切りの大きなのを一ツずつ抱えこんで、盛んにそこらを核だらけにしているところです。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
西瓜売りにわたして一個の西瓜と交換した。
— 火の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
前に腰かけていた二人の侍のうち――一人はいつの間にか立って、葭簀の破れ目から草原を覗いていたが、「来たぞ」 連れを振り顧って、「浜田、あの西瓜売りじゃないか」 といった。
— 二天の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
二 草いきれの炎天を、西瓜売りは天秤を肩に歩いてゆく。
— 二天の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
――もんどり打つように西瓜と西瓜売りが前へ転んだ。
— 二天の巻 『宮本武蔵』 青空文庫