歯噛
は噛
名詞
標準
文例 · 用例
おそろしい悲しみと、歯噛みしたいような憤怒とが、一度に彼の腹の底からこみ上げて来た。
— 葉山嘉樹 『生爪を剥ぐ』 青空文庫
昔から「歯噛みをなして」というのは腹を立てた人の形容ということに相場がきまっているくらいである。
— 寺田寅彦 『チューインガム』 青空文庫
ともかくものんびりした気持やぽかんとした気持と、この歯噛みの動作とがよほど縁の遠いものであるだけはたしかであろう。
— 寺田寅彦 『チューインガム』 青空文庫
チューインガムの流行常用によってその歯噛みの動作の反応作用から日本人が生理的並びに心理的にだんだんアメリカ人のようなものに接近して行くというようなことはあり得ないものか。
— 寺田寅彦 『チューインガム』 青空文庫
……勢はさりながら、もの凄いくらい庭の雨戸を圧して、ばさばさ鉢前の南天まで押寄せた敵に対して、驚破や、蒐れと、木戸を開いて切って出づべき矢種はないので、逸雄の面々|歯噛をしながら、ひたすら籠城の軍議一決。
— 泉鏡花 『第二菎蒻本』 青空文庫
三 青年は半狂乱の躰で、地韜を踏んで歯噛をした。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
女房が失せて半狂乱、」と雪枝は、思出すのも、口惜しさうに歯噛みをした。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
」土神はまたきりきり歯噛みしました。
— 宮沢賢治 『土神と狐』 青空文庫