手鍋
てなべ
名詞
標準
pan
文例 · 用例
手鍋提ぐる意氣に激して、所帶の稽古に白魚の※造る也。
— 泉鏡太郎 『婦人十一題』 青空文庫
……あの戸口には、羽衣を奪われた素裸の天女が、手鍋を提げて、その男のために苦労しそうにさえ思われた。
— 泉鏡花 『小春の狐』 青空文庫
――今しがた、この女が、細道をすれ違った時、蕈に敷いた葉を残した笊を片手に、行く姿に、ふとその手鍋提げた下界の天女の俤を認めたのである。
— 泉鏡花 『小春の狐』 青空文庫
いゝわね、十歳も年上の女のあとを追って、山又山の奥へ、手鍋を提げる助手に行くなんて、とんだ色気のある園芸手だわ」 案の定、葛岡は「なに、安宅先生へいろ気」と振返り、わたくしのわざとする勘違いを真正面に取って受け、その無理解の口惜しさに殆ど力も脱かれたらしく、逡巡して、はー、と息を吐きました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
浜で手鍋の時なんかは、調子に乗って、(お房さん。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
生玉子を割って、且つは吸ものにし、且つはおじやと言う、上等のライスカレエを手鍋で拵える。
— 泉鏡花 『甲乙』 青空文庫
俚謡に「竹の柱に茅の檐」と唱うのも、「手鍋提げても」と唱うのも、貧即不幸福の妄見を照破してしまっている手近い例だ。
— 幸田露伴 『貧富幸不幸』 青空文庫
君と共に住めば手鍋さげてもと、青春の戀にうかるゝ都の若き男女に、かゝるさま見せてやりたし。
— 大町桂月 『常磐の山水』 青空文庫
作例 · 標準
キャンプで、手鍋を使って簡単なスープを作った。
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彼はいつも小さな手鍋で一人分の味噌汁を温める。
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焦げ付かないように、手鍋の底をよくかき混ぜた。
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