懐い
なつい
形容詞
標準
dear (old)
文例 · 用例
――その声にともかくも好感を懐いた人達の或者は、感傷的な道徳家となり、他の或者は批評主義派になつてしまつた。
— 中原中也 『生と歌』 青空文庫
ゴロンと横向きになつて、書棚に並んだ本を手で横撫でしながら、私は私の前途がいかにもいらだたしいもののやうな感じを懐いた。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
しかし当時の自分にはその光景がひどく美しく長閑なものに思われ、そうして女中等のそういう態度に対して少なからず不満を懐いたようであった。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
彼は子供の時分から「新年」というものに対する恐怖に似たあるものを懐いていた。
— 寺田寅彦 『年賀状』 青空文庫
しかし方数十里の地域に起るべき大地震の期日を数年範囲の間に限定して予知し得るだけの科学的根拠が得られるか否かについては私は根本的の疑いを懐いているものである。
— 寺田寅彦 『地震雑感』 青空文庫
そういう心持を懐いて、もう一度がらんとした寒い廊下と階段を上がって、そうしてようやく目的の関門を通過して傍聴席の入口を這入った。
— 寺田寅彦 『議会の印象』 青空文庫
であるから自分は馬を書きながらも志村は何を書いているかという問を常に懐いていたのである。
— 国木田独歩 『画の悲み』 青空文庫
しかしどれほど色々の学者の研究の結果を調べてみても、私自身体験としての雷の観察から示唆されて日常に懐いている色々の疑問を満足に説明してくれるものは一つもない。
— 寺田寅彦 『家庭の人へ』 青空文庫
作例 · 標準
この古いぬいぐるみは私にとってとても懐いもので、子供の頃を思い出させてくれる。
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何年も経ってから故郷に戻り、見慣れた道がとても懐いと感じた。
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ああ、この匂いは懐い!おばあちゃんの家を思い出すなあ。
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