何のことはない
なんのことはない
表現
標準
trivial
文例 · 用例
何のことはない妄想家流であつて、ジャズだつてオネガだつてアッターベルヒだつてラヴェルだつてシトラウスだつてマーラーだつて、妄想家流――といつて妥当でなければ幻想家流である。
— 中原中也 『音楽と世態』 青空文庫
何のことはない、私の錯覺と壞れかかつた街との二重寫しである。
— 梶井基次郎 『檸檬』 青空文庫
音が近づくにつけて大きくなる、下草や小藪を踏み分ける音がもうすぐ後ろで聞こえる、僕の身体は冷水を浴びたようになって、すくんで来る、それで腋の下からは汗がだらだら流れる、何のことはない一種の拷問サ。
— 国木田独歩 『郊外』 青空文庫
此の時位藝術家の意久地の無いことはあるまい、幾らギリ/\齒を噛むだと謂ツて、また幾ら努力したと謂ツて、何のことはない、破けたゴム鞠を地べたに叩付けるやうなもので何の張合もない。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
何のことはない箱のやうな室で、たゞ南の方だけが中窓になツてゐる。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
」 銀子が訊くと、何のことはない。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
何のことはないまるで子供の使いで、社内でも、おい子供、原稿用紙だ、給仕、鉛筆削れと、はっきり給仕扱いでまるで目の廻わるほどこき扱われた。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫
ところが驚いたことには、参会者はすでに整列をすましていて、何のことはない私は遅刻して来た者のようであった。
— 織田作之助 『髪』 青空文庫
作例 · 標準
難しく考えていたけれど、何のことはない、コンセントが抜けていただけだった。
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幽霊かと思って震えていたが、何のことはない、風に揺れるカーテンの影だった。
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秘伝のレシピを教えてもらったが、何のことはない、隠し味に味噌を入れるだけだった。
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