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灰土

かいど異読 はいつち
名詞
1
標準
ashes and earth
文例 · 用例
赤さびの鉄片や、まっ黒こげの灰土のみのぼうぼうとつづいた、がらんどうの焼けあとでは、四日五日のころまで、まだ火気のある路ばたなぞに、黒こげの死体がごろごろしていました。
鈴木三重吉 大震火災記 青空文庫
風がふくたびに、こげくさい灰土がもうもうとたって目もあけていられないくらいです。
鈴木三重吉 大震火災記 青空文庫
大震災後の一望灰土の光景を想起すると、あまりぜい沢はいわれないかもしれないが、目ぼしい学校はぽつりぽつり郊外へ移ってしまって、中間的な受験学生ばかりがいたずらに多く、年々学生街としての品格もおちつきも失われて行くらしい今日、第二次の経営に移る時代が、いやでも神田街に来ていることが考えられるのである。
楠山正雄 神田界隈 青空文庫
(手首が折れる) と、感じ(商売が、できなくなる) と、頭へ閃いた刹那、庄吉は、若僧の小太郎に、恐ろしさを覚え、怯じけ心を感じたが、その瞬間――ぽんと、鈍い、低い音がして、庄吉の顔が、灰土色に変じた。
直木三十五 南国太平記 青空文庫
灰土色に変るべき肌は、澄んだ蒼白色になって、病的な、智力を示しているようであったし、眉と眉との間に刻んだ深い立皺は、思慮と、判断と――頬骨は、決心と、果断とを――その乱れた髪は、諸天への祈願に、幾度か、逆立ったもののように薄気味悪くさえ、感じられるものだった。
直木三十五 南国太平記 青空文庫
顔色が、灰土のように、蒼ぐろく変って、呼吸が、短くなってきた。
直木三十五 南国太平記 青空文庫
河野清実君の報告(考古学雑誌五巻十一号)によれば、豊後灰土山古墳の如きは、幅僅かに一尺一寸二分ないし九寸五分の狭い石室中に、二人分の骨が背を向け合して並べられてあった。
焼屍・洗骨・散骨の風俗 火葬と大蔵 青空文庫
また、火にて物を焼けば、灰土となるというも、物の土に化するは必ずしも火によるにあらず、地に埋めて腐らせても土となる。
井上円了 迷信解 青空文庫