幕見
まくみ
名詞
標準
文例 · 用例
私が枡に足を蹈み込んだばかりに、肥つた四十年配の女が二人、飛び込んで来て、「ああよかつた、端ッこでもあつてこそよございました、もう五分早ければよございました、惜しいことをしました、私は今朝から一服もしません、ええでも一幕見てから一服することにいたしませう」なぞと、イキセキ切つて云ふのであつた。
— 中原中也 『我が生活』 青空文庫
破帽をあみだにかぶり直して歌舞伎座、一幕見席の入口に吸いこまれた。
— 太宰治 『狂言の神』 青空文庫
」「三崎町へ行って一幕見でもしようか。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
一幕見はかなり込み合っていた。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
又劇場には東京の如く一幕見といふものが無く、東京の大入場にあたる所がその代り十錢か十五錢である。
— 木下杢太郎 『京阪聞見録』 青空文庫
一幕見のつもりだってもね。
— 夢野久作 『芝居狂冒険』 青空文庫
一月八日(日曜) 青い鳥(芸術座)、十二時の始りを知らず、半すぎて行ったので、一幕見落し惜しいことをした。
— 一九二八年(昭和三年) 『日記』 青空文庫
「まあ、もう一幕見て行こうじゃないか?
— 芥川龍之介 『カルメン』 青空文庫