沈々
ちんちん
形容動詞
標準
文例 · 用例
やがて大那須野の原の暗を、沈々として深く且つ大な穴へ沈むが如く過ぎて行く。
— 泉鏡太郎 『銀鼎』 青空文庫
天色沈々として風騒がず。
— 泉鏡花 『夜行巡査』 青空文庫
燭を剪り扇を揮って論ずる物静かに奥深き室の夜は愈々更けて沈々となった。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
最も不思議なのは、主人小室が歸つた時にはいくらか人聲のどよみが館内に聞えたが、それが靜まると後は、深夜沈々寂然として物の音もせぬ。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
入海の波間にもまた、月はしづきゆく沈々と金の鈎。
— 北原白秋 『畑の祭』 青空文庫
其処には通路を中にして、両側に対い合せに間劃りがあり、その一つ一つに、エーアシャー種や、ホルスタインの種牛と牝牛とが沈々と深い瞳を光らしていた。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
黙々沈々、石のごとく冷静に、おしのごとくおし黙りながら、長い間まなこをとじて考えつづけていましたが、そろり、そろりとあの手があのあごのあたりへ散歩を始めたかと思われたせつな!
— 因縁の女夫雛 『右門捕物帖』 青空文庫
」 しかし、名人は沈々黙々。
— 因縁の女夫雛 『右門捕物帖』 青空文庫