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草葺き

くさぶき
名詞
1
標準
thatching
文例 · 用例
速力計の針が六十五|哩と七十哩の間をちらちらすると、車全体が唸る生きものになって、広いアスファルトの道は面前に逆立ち、今まで眼にとまっていた榕樹の中の草葺きの家も、椰子林の中の足高の小屋も、樹を切り倒している馬来人の一群も、総て緑の奔流に取り込められ、その飛沫のように風が皮膚に痛い。
岡本かの子 河明り 青空文庫
事務所は椰子林の中を切り拓いて建てた、草葺きのバンガロー風のもので、柱は脚立のように高く、床へは階段で上った。
岡本かの子 河明り 青空文庫
空地の真中から、草葺きのバンガローが切り拓かれた四方へ大ランプの灯の光を投げている。
岡本かの子 河明り 青空文庫
この辺もチャンギーと云って、新嘉坡の名所の一つで、どうせ来なくちゃならんところだ」社長はそういって、海の浅瀬に差し出してある清涼亭という草葺き屋根の日本人経営の料亭へ、私たちを連れて行き、すぐ上衣を脱いだ。
岡本かの子 河明り 青空文庫
然るに今度の落雷の現場を取調べると、草葺き家根が上にむかって飛んでいるばかりか、土間の地面が引きめくったように剥がれている。
閲微草堂筆記(清) 中国怪奇小説集 青空文庫
路ばたに一軒の新しい草葺きの家があって、ひとりの女が門に立っていた。
捜神後記(六朝) 中国怪奇小説集 青空文庫
海鳴りの聞える草葺き小屋のなかで、身を寄せあうようにした彼らの家族たちは、ひたすらにのぞみをかけて待っている――その姿もありありと見えるようであった。
本庄陸男 石狩川 青空文庫
草葺き小屋のなか一ぱいに、それらの言葉はもやもやと立て籠め、急に煙ったく呼吸ぐるしくなったようであった。
本庄陸男 石狩川 青空文庫