難攻
なんこう
名詞
標準
文例 · 用例
釈尊が仏教を打ち建てられたとき、仏教の立場から当時印度に行われていた他の多くの思想宗教学派について非難攻撃をされました中に、苦行|外道(外道六師の中の一人、その名を阿耆多翅舎欽婆羅という)というのがあります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
木下藤吉郎の昔から秀吉は、数知れぬ難攻不落の城々を攻めた経験の持主であります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
この恐ろしい敵は、簔虫の難攻不落と頼む外郭の壁上を忍び足ではい歩くに相違ない。
— 寺田寅彦 『簔虫と蜘蛛』 青空文庫
人が厭だというものを好々ッて、可笑しな慈母さんだよ」「好と思ッたから唯好じゃ無いかと云ッたばかしだアネ、それをそんな事いうッて真個にこの娘は可笑しな娘だよ」 お勢はもはや弁難攻撃は不必要と認めたと見えて、何とも言わずに黙してしまッた。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
けれども仮りにニイチェ一人を持ち出して来ると、その超人の哲学は忽ち四方からの非難攻撃に遭わねばならぬのだ。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
城下に這入って、釈迦堂脇から二十人町、名掛町と通り過ぎてしまえば、独眼竜伊達の政宗が世にありし日、恐るべきその片眼を以て奥地のこの一角から、雄心勃々として天下の風雲をのぞみつつ、遙かに日之本六十余州を睥睨していたと伝えられる、不落難攻の青葉城は、その天守までがひと目でした。
— 仙台に現れた退屈男 『旗本退屈男 第七話』 青空文庫
しかし、さしもクリヴォフが築き上げた墻壁すらも、僕の破城槌にとれば、けっして難攻不落のものではないのだ」と背後にある大火図の黒煙を、赫っと焔のように染めている、陽の反映を頭上に浴びながら、法水は犯人クリヴォフを俎上に上せて、寸断的な解釈を試みた。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
この狂言に対して、例の『時事新報』がまたもや真っ先に攻撃の鋒を向けると、前の「春雨傘」の場合とは違って、今度は東京の諸新聞が相呼応して、殆んど一斉に批難攻撃の声をあげた。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫