頭禿
かしらかぶろ
名詞
標準
文例 · 用例
躯低く、頭禿げて、式ばかりの髷に結いたる十筋右衛門は、略画の鴉の翻るに似たり。
— 泉鏡花 『取舵』 青空文庫
」 と振返って、「ですかい、」と言いつつ一目見たのは、頭禿に歯豁なるものではなく、日の光|射す紫のかげを籠めた俤は、几帳に宿る月の影、雲の鬢、簪の星、丹花の唇、芙蓉の眦、柳の腰を草に縋って、鼓草の花に浮べる状、虚空にかかった装である。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
お互いに「頭禿げてもお酒は止まぬ」組だったじゃないか。
— 夢野久作 『爆弾太平記』 青空文庫
唐物屋の頭禿げし亭主の顏今も忘れず、繪草紙賣る店に屡々通ひしも事實なれど、その他の人はお鶴はもとより煙草屋の姉弟も皆我がほしいままに描き出せる架空の人物に過ぎざるなり。
— 「その春の頃」の序 『貝殼追放』 青空文庫