幼顔
おさながお
名詞
標準
baby's face
文例 · 用例
そんなにまで心にかけていながら、兄さんとしたことが、あなたの舞台姿を見て、親身の妹の幼顔を思い出すことが出来なかったばかりでなく、――実に怪しからんことにも、あなたにひどく恋してしまったのです。
— 渡辺温 『恋』 青空文庫
幼顔は覚え染みて忘れざりけむ、一目見るよりわれをば認めつ。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
おぼろげに覚えている幼顔そのままの興娘の姿が微に思い出された。
— 田中貢太郎 『金鳳釵記』 青空文庫
「あなた様は、何方様でございます」 金栄はもう興哥の幼顔を忘れていた。
— 田中貢太郎 『金鳳釵記』 青空文庫
幼顔が僅かに残っているぐらいのもので――」と鈴木の兄に言われて、節子はすこし顔を紅めた。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
その頃母親に甘えていた弟の幼顔がふと彼の心をかすめた。
— 松本泰 『秘められたる挿話』 青空文庫
猶太の王女が恋したと云う、ヨハネの幼顔よりも美しく、ラハエルよりも美しい。
— 国枝史郎 『レモンの花の咲く丘へ』 青空文庫
婦女子の生長は草花の如くすみやかで又妖艶なものであるから、もう年頃のことと思ふが、自分の脳裡にとどまる幼顔の記憶によれば、近頃あまたの青年がその面影に胸を焼きとかく業務を怠りがちのことであらうと愚考してゐる。
— 坂口安吾 『盗まれた手紙の話』 青空文庫
作例 · 標準
例句