行住
ぎょうじゅう
名詞
標準
文例 · 用例
されども渠等は未だ風も荒まず、波も暴れざる当座に慰められて、坐臥行住思い思いに、雲を観るもあり、水を眺むるもあり、遐を望むもありて、その心には各々無限の憂を懐きつつ、※息して面をぞ見合せたる。
— 泉鏡花 『取舵』 青空文庫
ツルゲーネフはツルゲーネフ、ゴルキーはゴルキーと、各別にその詩想を会得して、厳しく云えば、行住座臥、心身を原作者の儘にして、忠実に其の詩想を移す位でなければならぬ。
— 二葉亭四迷 『余が翻訳の標準』 青空文庫
* 私の哀しい Nostalgia がまた一絃の古琴にたまたま微かな月光の如くつかずはなれず付纏ふ時に、ある若い人達の集団はこれを唯一の楽器として、行住座臥、凡ての清新な情緒と凡ての苦い神経の悦楽とを委ねて満足してゐる。
— 北原白秋 『桐の花とカステラ』 青空文庫
願くば田園疎林の中、行住念々汝とともに処して、閑寂さらに寂しからむ。
— 北原白秋 『雀の卵』 青空文庫
有縁止、無縁去、去来行住すべて水の如かれ、雲の如かれ。
— 広島・尾道 『行乞記』 青空文庫
――行住坐臥、いつでも、どこでもすなほに。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
行住座臥の事々物々を外にして、どこに人生があるか、道があるか。
— 種田山頭火 『旅日記』 青空文庫
私は昼も夜もしよつちゆう俳句を考へてゐる、夢中句作することもある、俳人といふ以上は行住坐臥一切が俳句であるほど徹底した方がよいと思ふ。
— 種田山頭火 『一草庵日記』 青空文庫