窓明り
まどあかり
名詞
標準
light coming in or leaking through a window
文例 · 用例
相島は井田が持つて來た「帝國文學」を開いて眉を顰めながら窓明りで井田の文を讀んで居た。
— 有島武郎 『半日』 青空文庫
窓明りを背負って現われた黒い女の顔は、玄関の扉にくっ着いているアレキサンダー君よりも、その後に立った私の方を主に窺った。
— 渡辺温 『ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった』 青空文庫
そうしてそれから後、小高い深良屋敷を囲む木立の間から眩しい窓明りと共に、朗らかなラジオの金属音が、国道添いの村の方へ流れ落ち初めたのであった。
— 夢野久作 『巡査辞職』 青空文庫
床柱にも名があろう……壁に掛けた籠に豌豆のふっくりと咲いた真白な花、蔓を短かく投込みに活けたのが、窓明りに明く灯を点したように見えて、桃の花より一層ほんのりと部屋も暖い。
— 泉鏡花 『妖術』 青空文庫
仕方なしに、あれから路の無い雪を分けて、矢来の中をそっちこっち、窓明りさえ見れば気兼をしいしい、一時ばかり尋ね廻った。
— 泉鏡花 『第二菎蒻本』 青空文庫
窓明りが所々に見えた。
— 徳田秋聲 『芭蕉と歯朶』 青空文庫
笹村は、よく夜更に寂しい下宿の部屋から逃れて、深い眠りに沈んでいる町から町を彷徨い、静かな夜にのみ蘇生っている、深山の書斎の窓明りを慕うて行ったころのことを思い出していた。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
そして窓明りを透かしてその米の表面を眺めた。
— ――獄中手記―― 『何が私をこうさせたか』 青空文庫